○震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等に関する要綱
令和5年9月30日
訓令第7号
(目的)
第1条 震災その他大規模な災害等の発生時に、製造所、貯蔵所又は取扱所が被災することにより、平常時と同様の危険物の貯蔵・取扱いが困難な場合において、総務省作成のガイドライン(平成25年10月3日付け消防災第364号・消防危第171号)の留意事項を踏まえ、消防法(昭和23年法律第186号)第10条第1項ただし書きに基づく危険物の仮貯蔵・仮取扱い(以下、「仮貯蔵等」という。)が速やかに行えるよう、安全対策及び承認申請手続き等について運用を定め、迅速な災害応急策等に資することを目的とする。
本消防組合消防本部が管轄する南城市、八重瀬町においても、震災等により甚大な被害が発生し、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用された場合、又はそれと同等の被害が発生したものと認められる場合(以下「震災時等」という。)で、消防長がこの要項に定めるところにより緊急に危険物の仮貯蔵・仮取扱いを承認することが必要と認めるときに適用するものとする。
(事業者への指導等)
第2条 震災時等の被害状況により危険物施設又は危険物施設以外の場所(少量危険物貯蔵・取扱所を含む。)での臨時的な指定数量以上の危険物の貯蔵又は取扱いの申請が想定される者(電気関係業者、建設業者、製造業者、石油関係業者、官公庁等をいう。以下「事業者等」という。)に対し、次の指導を行うものとする。
震災時等に想定される危険物の仮貯蔵等の形態の例
① 移動タンク貯蔵所から車両、重機等への給油又はドラム缶等への注油 ② 変圧器の修繕、点検のため、変圧器内部の絶縁油の抜取り等 ③ 施設の改修、点検、解体をするための残油の抜取り等 ④ ドラム缶等の運搬容器による車両用燃料等の貯蔵 ⑤ 電源確保のため、非常用発電機や仮設発電機に燃料補給 ⑥ 救援物資等の集積場所で危険物を貯蔵(防災拠点及び各種防災備蓄倉庫等) |
(1) 事前協議等
危険物の仮貯蔵・仮取扱いの形態に応じた安全対策や必要な資機材等の準備方法等の具体的な実施計画、事務手続きについて事前に島尻消防組合消防本部予防課保安係と協議(以下「事前協議」という。)した上で、危険物の仮貯蔵・仮取扱い実施計画届出書(様式第1号)(以下「実施計画書」という。)を作成するものとする。
(2) 実施計画書の作成に係る留意事項
仮貯蔵・仮取扱実施計画書の添付書類には、案内図、危険物の仮貯蔵・仮取扱実施予定場所の付近見取図、構造図、配置図等を添付するものとする。
(3) 震災時等における実施計画書等は、正副2部作成し、消防本部へ提出するものとする。
(実施計画書等の保管)
第3条 実施計画書等が提出された場合は、震災時等危険物仮貯蔵・仮取扱実施計画書整理番号簿(様式第2号。以下「整理番号簿」という。)に届出者の住所、氏名等の必要な事項を記載するとともに、震災時等に適切に対応できるよう当該実施計画書等、整理番号簿を専用のファイルに編さんし、消防本部予防課で適正に保管する。
(承認申請)
第4条 震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い承認申請の手続き
(1) 事業者等から実施計画書等が提出されている場合
ア 電話等による危険物の仮貯蔵・仮取扱いの承認
仮貯蔵・仮取扱いの承認申請の実施方法等を実施計画書の内容と照合し、相違がないことが確認された場合は、速やかに口頭により承認すること。
イ 現地調査の実施
口頭による承認後は現地調査をできる限り速やかに実施し、安全確認及び必要に応じ安全対策を指導すること。
ウ 危険物の仮貯蔵・仮取扱い承認申請書の提出等
電話等による仮貯蔵・仮取扱いを申請した事業者等が消防本部へ来庁が可能となった場合は、速やかに島尻消防組合危険物規制規則(平成4年10月7日規則第4号。以下「規則」という。)第2条に基づき「危険物の仮貯蔵・仮取扱い承認申請書」を消防本部に2部提出させ、承認した場合は、承認印を押印した申請書の副本を交付するものとする。
(2) 事業者等から実施計画書等が提出されていない場合
実施計画書等が消防本部へ提出されていない場合は、原則として規則第2条に基づくこととする。ただし、典型的な危険物の仮貯蔵・仮取扱いの対応については次によること。
ア 電話等による指導等
事業者等に対し、口頭で安全対策を指導するとともに実施計画書等の作成及び申請書を2部提出するよう指導し、口頭により承認するものとする。
イ 現場調査の実施
現場調査を速やかに実施し、安全確認及び必要に応じ安全対策を指導すること。
ウ 仮貯蔵・仮取扱いの承認
申請書及び実施計画書等が提出された時点で内容を審査し、承認済申請書を交付すること。
(危険物施設での許可以外の危険物の貯蔵、取扱い等)
第5条 危険物施設での臨時的な危険物の貯蔵・取扱い等
(1) 危険物施設での臨時的な危険物の貯蔵・取扱いが、許可以外の危険物の貯蔵・取扱い及び使用方法が全く異なる設備等を使用する場合は次によること。
ア 危険物の貯蔵・取扱い承認申請等が必要な場合
前記第2、4により指導及び仮貯蔵・仮取扱いの申請手続きをすること。
イ 位置、構造及び設備の変更を伴う場合
変更許可申請書(島尻消防組合危険物規制規則第3条)を提出させること。
(2) 設備等が故障した場合に備えて予め準備された代替機器を使用する場合又は停電時における非常用電源若しくは手動機器を活用する場合
ア 許可内容への内包
事前に変更許可申請書の届出による資料の提出により、臨時的な危険物の代替機器に関する位置、構造及び設備に関し、許可内容に内包すること。
イ 予防規定への記載等
予防規定を定めなければならない危険物施設については、業務継続の観点から、発災時の緊急対応、施設の応急点検、臨時的な危険物の貯蔵・取扱いの手順、定期的な従業員に対する教育、対応訓練等に関する事項を予防規定及びこれに基づくマニュアル等に危険物施設の設置者が規定するものとする。
(指定数量未満の危険物の臨時的な貯蔵又は取扱いの指導)
第6条 当該数量が少量危険物に該当する場合は、臨時的な危険物の代替機器等に関する位置、構造及び設備等について、少量危険物貯蔵・取扱い届出書の届出を指導すること。
(危険物の仮貯蔵・仮取扱いの再承認)
第7条 震災時等における危険物の仮貯蔵又は仮取扱いが繰り返し行われる場合の再承認は、特に必要と認められる場合に限り、次の事項に留意すること。
(1) 再承認の際には、申請者に再度仮貯蔵・仮取扱いの承認申請を行わせること。
(2) 定期的に安全確保のための現地調査を行うこと。なお、承認期間内であっても危険物の仮貯蔵又は仮取扱い行う必要がなくなった場合は、速やかに危険物を除去するよう指導すること。
(3) 再承認は、原則2回までとすること。
(危険物の仮貯蔵又は仮取扱いに係る手数料の免除措置)
第8条 震災時等における危険物の仮貯蔵又は仮取扱いに係る手数料は、災害による被害状況等を踏まえ、島尻消防組合消防手数料条例(平成12年3月6日条例第5号)第4条第1項に規定する免除措置を適用し、次の事項に留意し処理すること。
(1) 消防手数料減免申請書の提出
危険物仮貯蔵・仮取扱承認申請書の提出等に併せて、「消防手数料減免申請書」を提出するよう指導すること。
(2) 消防手数料の減免承認
消防手数料の減免の承認は、仮貯蔵等承認期間後においても「消防手数料減免承認・不承認決定通知書」により申請者に通知すること。
(3) 消防手数料減免措置の処理経過の記載
消防手数料減免申請書の経過欄に、免除承認日、決定通知書の交付日その他必要な事項を記載すること。
(4) 消防手数料減免申請書の保管
消防手数料減免申請書は、決定書の写しを併せて適正に保管すること。
(運用の適用)
第9条 震災時等における仮貯蔵・仮取扱等の安全対策及び手続きの運用の適用開始及び終了については、震災時等発生後、消防長から通知する。
附則
この訓令は、令和5年10月1日から施行する。